パンパイプと共に

熊本からパンパイプ(パンフルート)にまつわる色んな出来事や雑感を綴っていきます

シャーは非整数次倍音⁉︎

倍音のことを調べていたら非整数次倍音という言葉がありました。タモリさんと黒柳徹子さんの対談の中にも出てきます。

非整数次倍音とは倍音以外の音を指すようで、前にも書いたパンフルートの音のシャーに当てはまるようです。言葉だけ聞くと整数倍以外の倍音があるのかと思いましたが倍音とは関係ない、非整数次倍(の)音なのでした。

さて本題は、いい音色に倍音及び非整数次倍音がどのように影響するのか。整数次倍音が多くしっかり鳴っていると、良く通る音色になると思います。感情語で言うと、豊かな音色、あるいはよく伝わるしっかりした音というのかな? 非整数次倍音のシャーはどうでしょうか。個人的な印象だと、シャーは耳触りが良く、柔らかく聴こえる音色だと思います。一方、シャーが少ないと透明感があるように感じます。オカリナの音色がそうですね。個人の感覚の問題なので感じ方は人それぞれでしょうけど。

倍音が多い音・少ない音、非整数次倍音シャーが多い音・少ない音、色々組み合わせることができるとしたら、色んな音色が楽しめるかもしれません。

では、パンフルートの整数次倍音と非整数次倍音シャーはどうやって増減できるか、それは楽器と吹き方でしょうね。構造が簡単だからこそ奥が深い楽器だなと改めて思う次第。

下の図は、マタイス・クーネ(Matthijs Korne)さん達によるマタイ受難曲からアリア  Bach BWV244 の一部の周波数を可視化したもの

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縦軸は下方向に向かって時間軸、横軸は周波数Hz。厳密に分けられないけど、この曲に限っては大体1.5KHzより右側は倍音域です。

パンフルートアコーディオンだけの時(図の上半部)の倍音の鳴り具合が、ソプラノが加わってから少し倍音が増えますが、さほど変化がなくうまく調和しているように見えます。